東京大学の改革に期待
東大が、文理融合型の5年生課程を創設すると発表しました。
事実上の新学部創設で「カレッジオブデザイン」という名称になるそうです。
4年間の学部と1年の大学院修士を合わせた5年制で、定員は100人、半数は留学生を受け入れ日本からの生徒は50人になるそうです。これに伴い授業もすべて英語。欧米に合わせて秋入学とするそうです。
1年間は海外の大学への留学やインターンシップに充てるといいます。
「作文虎の穴」が特に注目したのは、
「従来の入試とは異なる方法を検討している」
として、性別や文化、経済的背景といった学生の多様性を重視すると表明している点です。
これはもう、内申書と小論文、面接といったやり方しかないではありませんか!
小中高合わせて20万人もの不登校を生みながら、学校教育の改革が遅々として進まないのは、一つには大学入試が従来通りだからです。
というのも、高校の教育内容というのは「大学入試に通る内容を準備する」ということになりがちだからです。
だって、みなさんその高校がいい高校かどうかって、東大合格者数で測っていませんか?
高校の教育方法が変わらないのは、東大入試が変わらないからなんです。
その入試を、新設学部に限って、という限定付きではありますが、東大が発表したことの意味は決して小さくありません。
今の東大入試は、5教科の中に苦手科目があったら合格は望めません。全部できないと入れてあげないよ、というのが国公立のスタンダードなのです。
小学校から高校卒業まで、5教科全てができるオールラウンダーしか合格させないのが国公立大なのです。
6-3-3の12年間、全ての教科ができ続ける、そんな人間ばかりではないでしょう。
しかも、暗記した内容の再現率を問うような入試ばかりです。ですから私たちは、知識をたくさん覚えて、問われたことに短時間で即答する能力を「優秀さ」だと思い込んでいる訳です。
こうした考え方は、大学の入試問題の出題傾向によってもたらされた考え方です。
今、大切なのは「問われたことに素早く正確に答える」ことじゃなくて、「自ら問いを立てる」ことだと思います。
日本トップの東大が、記憶の再現だけでない、従来とまったく異なるる選抜方法を取る。
日本の教育界にとっておおきな変革の一歩となるはずです。
具体的にどんな方法になるのか、注視していきたいですね。