禁止を禁止する
私たちの暮らしには、禁止が溢れています。
ゴミは回収日の朝に出すこと。それ以外の曜日、時間帯に出すことは禁止されています。
乗り物に乗ったら、携帯電話で会話をすることも禁止されています。
そして、もっとすごい勢いで禁止に溢れているのが学校です。
白いソックス以外は禁止、決められた鞄以外は禁止、髪型も髪の色もスカートの長さも、あれもこれも禁止されています。
そして、実は私たちは禁止が大好き!
なぜ、世の中が禁止だらけなのかと言ったら、みんな禁止が大好きだからです。最近の話題で言うと「ローソンの前で富士山の写真を撮ること」が禁止されましたね。笑 言っても聞かないので黒い幕が張られたそうです。笑
世の中がこうなので、作文虎の穴でも禁止を取り入れることにしました。
「禁止を禁止」したのです。笑
日本社会は禁止だらけのお陰で、とても秩序だっているし、街はきれいだし、安全で快適な社会が作れています。
なにのなぜ「禁止を禁止」するのか?
答えは、ズバリ「考える力を養うため」です。
あらかじめ禁止されていることについては、人はものを考えなくなります。禁止には従うほかないので、考えても無駄だからです。
この例が分かり易いと思います。
人気の品物を買うために多くの人が列を作っています。
私たちは、迷わず最後尾を探して列に連なります。そして待ちます。
ところが、中国人がやって来て列の途中で割り込みを開始。笑
日本人からは、「中国人はマナーを守らない悪い人たち」に見えます。
作文虎の穴では、ここで「この人たちはなぜ列に並ばないのか?」という問いを立ててみます。
すると「00時の列車でこの街を離れなくちゃならないから、並んでる時間がないんだ。家族へのお土産を買いたくて」
みたいな話が出て来ます。
でも、日本人は「急いでいるのは君だけじゃない」と反応します。これは、横入りは全員等しく「禁止」されていると考えているからです。
中国人は「そういう事情があるなら、そいつだけ入れてあげたらどうか?」となります。そもそも横入りが禁止されていないので自分の判断でそれができるからです。
こんなふうに、「禁止」は秩序と共に思考停止を連れて来ます。笑
子供達に、そこで起きている個別の人の事情、善悪の判断、そうしたことを考える機会を奪わないように「禁止を禁止」しているのです。
「そんなことしちゃいけないよ!」
と禁止するのではなく
「もし、そうしたらどんなことが起きると思う?」
と考えてみることを促す。それが作文虎の穴の流儀です。
教えられたことを疑いなく覚えて、聞かれたらすぐさま正確に答える。
この優秀さの定義はAI登場以前の優秀さです。
AI登場後の優秀さとは、禁止を取っ払って自分の頭で考え始められるかどうか。つまり「問いを立てられるかどうか」になると考えているので、作文虎の穴では「禁止を禁止」しているのです。