通知表を廃止した小学校
神奈川県茅ヶ崎市の市立香川小学校では2020年度に通知表を廃止しました。
子供の学習到達度を測り記録する方法として、通知表はあって当たり前の物として存在していました。
それを廃止したのですから驚きが広がりました。
作文虎の穴では、この通知表廃止に熱い視線を注いでいます。
というのは、日本人が英語を喋れない理由の一つに通知表があると考えているからです。
いまでこそ通知表は絶対評価になっているようですが、かつては相対評価。
つまり「5」をもらえる人の割合が決まっていたのです。
例えば、あなたの英語の成績が「3」以下だったとしましょう。「2」や「1」の人たちを含めるとクラスでは多数派となります。
「3以下」の生徒たちは「自分たちは英語は不得意、苦手」と思ってしまわないでしょうか。
そしてクラスの「5」や「4」を取っている生徒の前で、間違えるかもしれない英語を喋ってみようと思うでしょうか。
こうした経験を中学・高校と続けてくる間に、学校で英語を習った人たちの過半数の生徒たちは、英語に苦手意識を持ち、話すことに「間違ったらどうしよう」という恥ずかしさを感じることになります。
チャレンジしなければ上達が見込めない言語教育で、チャレンジを阻害する要因を作っているのが、通知表なのだと考えています。
こんな例もあります。
スポーツ万能で何をやらせても上手い、なのに体育が「3」。
ペーパーテストと授業態度で減点されてしまうそうです。
学校体育とはスポーツとは全くの別物で、教師の言うことに従順に従う教練の時間であり、運動学のようです。
美術や音楽でも同様かもしれません。芸術に点を付ける必要があるのでしょうか。
実はあるのです。
入試に必要だから行われているのです。
通知表をつけないと内申点が出ないから、高校を受験しなければならない中学で、通知表を廃止するのは難しいだろうと考えています。
通知表は、学校カーストや生徒間の上下関係を生んでいるとの指摘もあり、課題も指摘されています。
必要だから続いてきましたけれど、それを廃止した先に、全く別の教育方法が待っていると考えています。
それは、また別の機会に。