進む大学入試改革

「日本の教育を変えるには、大学入試改革から始めるべきだ」
と繰り返し訴えてきた作文虎の穴ですが、変化は徐々に起きているようです。

テストの得点の高い順から入学を許可するという一般入試で大学の門をくぐる生徒は、どんどん減少してきています。
AO入試や、附属高校からの持ち上がりが増えてきているからです。

そのAO入試の嚆矢は慶應義塾大学でした。
その結果、「慶應と早稲田と両方受かったらどっちに入学する?」
という競争で慶應の勝利が続いていて、大学ランキングは「早慶」ではなく「慶早」という序列が固定しつつありました。

しかし、ここへきてその選択が逆になりつつあると指摘する論考を見つけました(下記リンク)。

よく大学改革ネタを記事にしているビジネス誌「週刊ダイヤモンド」の元編集長の記事です。

このコラムでも、「早稲田の入試改革は、東大の滑り止めの地位を確保することが狙い」
とやや批判的な取り上げ方をしてきました。

しかしこの記事は、早稲田においても系列高校からの入学者数はかつてより増加しており、加えてAO入試も取り入れ、その上での数学の必須化や共通テスト採用、知識を問う問題から考える力を問う問題への変化が進み、トータルでみると多様な人材の確保に成功していると指摘しています。

その上で、共通テスト高得点者の合格者が増えることで、偏差値も上昇、良いことづくめで入試改革は成功している。
何よりの証が、慶應義塾大学がさらなる入試改革で反撃に動いていることだ、と指摘しています。

進学校は、大学入試が何を求めるかを敏感に察知します。
大学入試で求められるものが、「知識」から「思考力」に変われば、高校側は思考力を高める教育にシフトしていきます。
すると、その難関高校への合格を目指して、中学の教育内容も変わります。

こうした、循環がうまく回り始めているようです。

作文虎の穴が追求してきた、PISA型読解力の向上。まさに時代の風は追い風となっています。

https://mag.minkabu.jp/politics-economy/31576/?fbclid=IwY2xjawJALvJleHRuA2FlbQIxMQABHa-u4SeJsJtFKeFfGZGciJrn6tKkKujFnulwSFLiQmhMlvUWxSZGYT9zBA_aem_RudqwZNd_5zAVYGRWk0VYw