中学生の皆さん!推薦入試対策は進んでいますか?
推薦入試を目指すのなら、受験勉強とは異なるそれ相応の対策が必要になります。
例えば、平成29年度の東京都立三田高校の場合、小論文の課題は、
(1)都道府県別の昼間人口、夜間人口、昼夜間人口比率を示したデータに基づいて東京都や周辺県に見られる特徴を指摘し、その特徴が現れる理由を記述する。
(2)岩倉使節団が明治期の日本の近代化に寄与したことを踏まえ、現代に生きるあなたが20歳になって外国に派遣されることを想定して、どこに行って何を学び、将来の日本に役立てたいか記述する。
となっています。
どんな特徴があるかといえば、「エビデンスベースト」であることです。つまり証拠に基づいた論を立てられるかどうかが問われているということなのです。
(1)の場合、昼夜間人口のデータを読み取った上で、特徴を読み解き、そうした現象が起きる理由を現代社会の特質という知識を上乗せして文章にまとめる力が求められているということです。
(2)でいえば、岩倉使節団が、どこに出かけ何を学んできたのかという歴史的事実に基づき、それがその後の日本の発展をどう下支えたのかということをベースに文章を組み立てる能力が求められています。日本史の知識がきちんとあり、その上で現代日本の直面する課題がわかっていて、それを解決に導くヒントがどの国の事例に学べば得られるのかという、歴史的知識に加え、現在の社会問題に対する問題意識がないと書き上げることができません。
社会科は暗記科目だ!などと嘯いている知識レベルでは到底対応できるテーマではありません。
現代は、150年前とは異なりグローバル時代です。
海外の進んだ文明に出会って驚いた!程度の国際理解では、このテーマの小論文で合格をもらうことはできません。
少子高齢化問題を例に考えて見ましょう。
同じく少子化が進行してた線諸国の中で、合計特殊出生率を上昇させたフランスの施策に学ぶとか、
海外からの移民を受け入れるなら、新しい永住ビザを創設して債務不履行直前から経済のプラス成長にまでつなげたポルトガルの例に学ぶなど、なんらかのトリガーを思いつかなければなりません。
その上で、その国の施策と成果をデータをもとに調べ、出典を示しながら文章にまとめていくといった作業が必要になります。
》作文虎の穴《 では、まず、
(1)何が問われているのか
(2)データをどう読み解けば良いのか
(3)解決のヒントはどこにあるのか
(4)成功例を日本にどう応用するのか
といった順に分解し、ひとつひとつ実際に作業を行いながら文章にまとめていきます。
決して簡単な作業ではありません。早めに対策を取られることをお勧めします。