年末年始に何をしますか?

作文虎の穴は、12月29日(金)〜1月4日(木)までの1週間、年末年始休暇とさせていただきます。クリスマスも年末年始もない受験生には申し訳ないのですが、今年からそうすることに決めました。

ひとつは、私の心境の変化。

作文虎の穴では、教室に通わせてくださる親御さんに、普段から
「お子さんに、勉強だけをすることを望まないでください」
とお伝えしています。

そして「家の手伝いをさせてくださいね」
とお願いしています。理由はふたつ。

ひとつは、人生でシングルタスクだけで済む瞬間など決してやってこないからです。

いつも、どんな時でも、人にはあれやこれやの役割がありあます。
受験生であっても部活動をしていたり、家の手伝いをしていたり、飼い犬の世話をしていたり。

そして、シングルタスクよりマルチタスクの方が人としての幅が広がり、思考の幅も広がり、できる成果が大きくなることが分かっているからです。

脳科学者は、「人間の脳はマルチタスクに対応していない」と言いますが、何かをやるときは一つのことに集中したほうが良いということで、一度に二つのことには集中できないという意味です。

二つのことは、同時にやるのではなく時間を分けてやればいいのです。

 

 

もう一つは、マルチタスクな方が失敗した時のレジリエンスが効くということです。

これは生物多様性の原理とも通じるのですが、世の中に生命種が1種類しかなかったら、その種が絶滅したら生命が全滅することになってしまいます。

常に、特徴の異なるいろいろな生物がいて、あちらがダメでもこちらは大丈夫な状況こそが生物にとっては望ましい状態なのです。

もし、受験勉強しかしていない人が入試に落ちたらどうなるでしょう。
その人そのものが全否定されてしまうのです。これでは立ち直れませんよね。

そうではなくて、あれもできる、これもできる。勉強もできる状態であれば、受験の失敗は人生の終わりではなく、人生の中の一部の失敗という割り切りができて、別の道で生きることも可能になります。

よって、作文虎の穴も授業はお休みにして、家族で楽しい時間をすごしたり、普段は会わない親戚や従兄弟などと時間を過ごしてほしいと思っています。

勉強以外の役割で、自分の居場所がある、自分が頼りにされる場面がある、自分は人に喜びを運べる人間なのだ、そうしたことを体感できる貴重な時間でもあります。

一本調子になりがちな受験生活だけに、アクセントをつけやすい年末年始を有効に活用して欲しいと考えています。

年末年始。「さ、お子さんに大掃除を手伝わせてください」