桐朋高校卒業生の答辞

ビジネス誌で取り上げられたことから、話題になっている桐朋高校卒業生の答辞。

分かりやすい平易な文章で語られ、構成がしっかりしていることから、耳に残りやすく、心にも響く内容となっています。

作文虎の穴が注目したのは、比喩の巧みさと例えの分かりやすさです。

書き出しは、ブラジルで羽ばたいた蝶がテキサスで嵐を起こすというバタフライエフェクト。
文章の中に、通奏低音のように一環して流れる比喩が「風」なのです。
話題は飛んでいるのに、話が一貫性を失わないのは、比喩を通奏低音として使っているから。

もはや「手練れ」の域です。

そして、答辞の中に、生徒と先生の名前の漢字をすべて入れ込む遊び心。

卒業式の答辞なのだから、今時ChatGPTだって書いてくれます。
AIに任せたら秒で出来上がったはずです。

受験生の身でありながら、敢えてそれをせず、わざわざ遊ぶ心のゆとり。

必ずしもする必要のないことを、面白いからやってみるマインドこそが、人をAIから分け隔てる要素だと考えます。

進学校ほど、文化祭に情熱を燃やす、そんな例えが分かりやすいかもしれません。

スティーブ・ジョブスのスタンフォード大学卒業式での伝説のスピーチも引いています。

溢れる教養、こぼれ落ちるほどの知識。

格好の教材ですね。

あなたもチャレンジしてみますか?

https://diamond.jp/articles/-/340455