1週間生きてみて、何に感謝しましたか?

作文虎の穴は、「作文教室なので毎週作文を書く練習をしている」かというと、そうではありません。

入試や受験で求められる文章というのは、「志望理由書」「自己PR」「一生懸命取り組んだこと」「将来どんな勉強をしたいか?」といったことが含まれます。

これ、ひとことでいうと「あなたは誰?」ということなんです。
私は、こういうことに熱心に取り組んでいた人間で、こういうことを大切にしているので、あなたの学校に入ってこんな方向の学びを深めたい。そのストーリーテリングができるようになることが、こうした文章を書く大前提になります。

書類にして提出するなら、文章力が求められますし、面接ならプレゼンテーション能力が必要です。

そこで、作文虎の穴では、勉強を始める前に

(1)今週は、どんな1週間だった?
(2)1週間生きてみて、何に感謝した?
(3)先週に比べて、成長したと言えるところはどこ?

といった質問をすることにしています。

(1)の問いは、Good&Newで答える練習です。楽しかったこと、初めてやったこと・知ったこと、を答えるように指導しています。友達との会話では、自分がどんなに最低最悪の出来事に見舞われたか、を自虐的話すことが少なくない年代です。自分の人生のポジティブな面に眼を向ける訓練にもなります。

(2)の問いには答えられない生徒さんが少なくありません。何にも感謝してない、誰にも感謝してない、と思ってる生徒さんが多数派です。笑 与えらることが当たり前の環境で生きていますから、答えられないのも無理からぬことですね。特に「あなたは勉強だけしててくれればいい」と考える親御さんや、「親は受験も経験してきてるんだから、親の言うとおりにしなさい」と言われているお子さんは、何に感謝した?と聞かれてもきょとんとするしかありません。
そんな生徒さんには、今日は何食べた?と聞いてみます。トンカツ? じゃ豚の命をいただいたんだね。トンカツを揚げるために必要な材料は何? それはどこから来た? 誰が運んでくれの? と聞きます。何一つ当たり前のことなどないことに気付いていきます。
「感謝」は、「自分が何をしてもらえてないか」という視点を、「人が自分に何をしてくれたか」という視点に変える機能を持っています。他責ではなく自責で生きる大切さに気付いてくれます。

(3)の問いは、「他人との比較」を止めるきっかけになります。決して自分と他人を比較しないこと。
「比べていいのは過去の自分だけ」そんなメッセージを込めています。

こうして、作文虎の穴で問いに向き合った生徒さんたちは、自分とは誰か?という問いに答えられるようになっていくのです。
受験には必須の学びですが、受験しない生徒さんにも大切な学びとなっています。